「はやぶさ」帰還成功!
昨晩の「はやぶさ」の大気圏再突入については
一般のニュースにも取り上げられているので
わざわざここに書かなくとも結果は知っているだろう。
どこかのニュース記事を引用する必要もなさそうだ。
夜空に輝いて散る美しい映像はあちこちで見ることが出来る。
連日「はやぶさ」の事ばかり書くのも気が引けるのだが、
それでも書いておきたいのである。
それほどの大イベントだということで・・・。
全てが順調で、何の問題もなかった。
風がなければ誤差1キロ以内の位置に落とせるという話が
あらかじめあったらしいが、
その通りに、予定位置の1キロ以内に落とせたらしい。
何という精密誘導技術!
ニュートン力学はここまで使いこなせるものなのか!
着地点は昨晩のうちに特定され、ヘリで確認され、
今日の夕方に処理班が回収作業を行った。
カプセルの中身の有無については
それほどこだわらないというようなことを前に書いたが、
ここまで成功してしまうと、やはり期待してしまう。
そのニュースが入ったらまたすぐに書くだろう。
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このイベントのために、昨晩のネットは盛り上がった。
実のところ、アクセスが多すぎて、
どこの実況サイトにも満足に繋がらない状況だった。
しかし冷静に考えてみれば、
日本に一億人いる中の、
はやぶさに強い興味を持った、たった数万人だけが
一斉に同じところにアクセスしようとして
「繋がらないぞ」と騒いでいただけのことかも知れぬ。
(ネット以外の私の周囲ではこの話題なんか一切出ないんだもんな。)
テレビで実況中継なんかしてもらいたかったが、
相変わらずいつものような番組をやっていただけだった。
まぁ、それは仕方ない。
テレビ番組というのは、
スポンサーとの契約で計画されるものだから、
結果がどう転んでも絵になるようなイベントしか
扱うことができないだろう。
だからそういう点ではもはやテレビには期待していない。
しかし、高視聴率を求めて、
同じような番組ばかりになっているというのはどうなんだろう。
コーヒーとお茶がよく売れるからって、
二、三種類の売れ筋商品しか並んでいない自動販売機が
少し前には良く見られたが、あれには全く魅力がなかった。
似てるんじゃないかな。
まぁいいや。 つまらなきゃ、見なきゃいいだけだ。
こんな具合に、たまには科学ニュースにかこつけて
前々から思ってることを差し挟んだりすることもある。
そっちの方が長くなることも多いかも知れないが。
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コメント
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まず、EMANさんのホームページに感謝致します。力学の解説の中のジャイロ効果(ここでは「回転軸をある方向に傾けようと塚らを加えると、意に反してその二つの方向に垂直な方向に回転軸が傾く」ことを指します)の解説が非常に分かり易く、理解の助けになりました。特に”どこかの掲示板で指摘されたもの”という「もっと簡単なジャイロ効果」のページは私の求めていた解説でした。
私も物理が好きでそれで大学院まで行ったにもかかわらず、従来のジャイロ効果の説明に納得がいかず(数式上は合っている事は分かるんですが)40歳にしてやっと目が開かれました。
さて、そもそもなぜ大学から離れて大分経ってからジャイロ効果に悩んでいたかというと、私が私的に「故障したはやぶさが乗り越えるべきだった技術的課題をどうやったら市井の人々に理解してもらえるか」という解説書(または紙芝居)のシナリオを考えていたからです。世にあふれる「はやぶさ本」はその辺りを深く解説してはくれません。日本のテレビも、はやぶさ帰還後には盛んに特集を組んでくれましたが、実は台湾のTVの方が深く熱の入った技術解説をしてくれていた、などという状態でした。
唯一日本ではブルーバックスの「小惑星探査機『はやぶさ』の超技術」という本がかなり詳細な解説をしていますが、残念ながら紙数の都合もあるのでしょう、理系の人でないと読めないものになっています。
そこで私はなるべく一般の方に理解出来る例えで解説する脚本を考えています。(まだ構想段階ですが。)問題はジャイロ効果でした。はやぶさが残り一つのフライホイールだけで太陽の周りを回りつつ帰還しなければならない状況で、その姿勢制御と太陽光圧による姿勢の乱れ修正を一挙に解決した方法を正確に解説しようとすると、ジャイロ効果は絶対に外せません。それがEMANさんの解説で一気に解決しました。ありがとうございます。
最後に僭越ながら「もっと簡単なジャイロ効果」のもう少し分かり易い解説の案を提案致します。コマで説明するよりも、4つまたは8つの砲丸を室伏広治選手に回してもらう(という想定)というのはどうでしょうか?砲丸それぞれは中央のリングに結ばれ室伏選手にはそのリングを持って回してもらいます。砲丸は上と下に軽くて薄い透明なプラスチックの円盤で挟まれており、なんだったら砲丸が絡まらないように内部を区画分けしてもいいでしょう。これを壊れないように回してもらいます。充分遠心力が出る程に回るようになったら室伏選手には止まってもらい(リングは回し続けつつ)、リングをちょっと傾けてもらう、というものです。
これ以上は釈迦に説法でしょう。長文コメントで失礼致しました。
では、また。
投稿: 風野妖一郎 | 2012年12月29日 (土) 21時50分