放射線の易しい説明(その4)
(友人に宛てて軽い気持ちで書いてみたものです。 正直、軽くなくなってきたけど。)
以前は俺も、「みんな放射能について心配しすぎだよ」という意見だったんだけど、
今となっては無条件に安全だとは言えなくなってしまった。
その境目を説明するのはなかなか面倒だ。
実際のところ、危険と安全の境目なんかないからね。
================================================
まず、放射線というのは、
原子炉から直接飛んでくるわけじゃない。
放射線の種類によるけど、
アルファ線なら空気中で10センチくらいで減速しちゃう。
エネルギーによっては1センチも飛ばずに止まる。
紙一枚で防げる。
ベータ線の正体は高速の電子だと前に話した。
軽いからアルファ線よりは遠くまで飛ぶ。
それでも空気中では数十メートルくらい。
アルミ板一枚で防げる。
ガンマ線は、・・・残念ながら空気中ではほとんど止まらんな。
光の一種だから。
X線が物体を透過するみたいに、
ガンマ線も物体を簡単に通り抜けてしまう。
防ぐには10センチくらいの鉛の板くらい用意しないと。
================================================
でも防ごうとするよりも、
なるべく遠くへ離れた方がいいんだ。
光が広がるのと同じように、
離れるほど影響力は急激に薄まるから。
発生源から離れるほど影響は少なくて済む。
================================================
ただ、今回の事故の場合、
放射線を出す物質そのものが漏れてるから、
こっちまで漂ってきて、そこいらで放射線を出すんだよね。
こんなのよけられないよ。
まわりじゅうの空気が、土が、放射線の源だってわけ。
でも、一発でも受けたらオシマイってわけじゃないから落ち着いて。
というか、今だって、いや、昔から、1秒ごとに何発も体に受けてるから。
そうだなぁ、イメージとしては、小雨に当たるみたいに。
今ネットで軽く調べてみたらもっと多かったわ。
自然の状態で、一日に10億発以上だってさ。
そんなに多かったかしら?
あとで計算し直してみないとな。
知識とイメージが一致してない悪い例やね。
反省せねば。
俺の認識もその程度だってことよ。
・・・。
ははあん、体内のカリウムの一部が放射線の源なんだねぇ。
それだけでも1秒ごとに全身に3000発だって。
================================================
トラックが真っ黒な煙を吐いて行くことがある。
あれを吸ったら絶対に健康に悪そうだと思うけれども、
空気に混じって広がって、薄まってやがて見えなくなる。
あれは消えてなくなったわけじゃない。
原子炉から出た物質も、薄く広がって、
やがて気にならないくらいになる。
広がれば広がるほど。
残念ながら発電所の近くでは
もう避難しなくてはならないレベルになってしまっているけれども。
避難指示の出ている範囲の外側ではまだ大丈夫。
普段とほとんど変わらない。
いや、ほんのちょっと多い。
ちょっと待てよ・・・。
ふむ、明らかに分かるほど多いな。
大丈夫かしら? どう解釈したらいいんだ?
ちょっと待っててよ・・・調べてみる。
・・・なるほど。
発がんの危険が出るレベルじゃないな。
普段が 0.1 (マイクロシーベルト毎時)くらいだって。
どうやらそれが、5くらいを超えないように避難をさせられてるみたい。
もし10を超える値を1年続けて浴び続けると、
発がんのリスクが0.5%上がるんだって。
日本人の二人にひとりがガンになるのが現状だから、
50%→50.5 % に上がりますよ、という感じだって。
俺的には問題ないな。
<追記 2011/04/14>
ここの確率の考え方は安易すぎて、
実際に起きるだろうことを正しく表せていないとの指摘がありました。
近いうちにそれをまとめた記事を書くつもりでいます。
<ここまで>
発電所からの飛散が終われば、次第に放射線を出し終わって数値が下がるだろうから、
長期的にはもっと心配ない。
だけど事故はまだ続いてるという認識でいる。
気をつけて見ていかないと。
それと、さっきの
普段から受けてる放射線の数のイメージ、合ってるかどうか、
もう一回計算して確認してみるわ。
(つづく)
最近のコメント