放射線の易しい説明(その3)
(友人に宛てて軽い気持ちで書いてみたものです。)
最近のテレビのニュース番組を見てると、
ベクレルとか、シーベルトとか、
聞き慣れない用語ばかりで不安になるよね。
ひょっとしてテレビ局は、
観てる人たちを怖がらせようと企んでるんじゃないかと
疑いたくなっちゃうくらいだ。
だけど多分それは間違い。
テレビで専門家に質問しながら喋ってる人たちは、
自分たちもよく分からなくて、本気で怖がってるんじゃないのかな。
数字ばかりが繰り返し出てくるけれども、
その意味、本当に分かって言ってんのかな、と感じることもある。
だって、単位を間違ってることもあるし。
でも専門家たちはそんなに怖がっちゃいない様子だ。
別に、他人事だから冷静でいられる、ってわけじゃないんだ。
あの番組構成で、
スタジオに漂う「恐怖感」以外のものが正しくみんなに伝わってんのかなぁ?
とっても疑わしいよ。
正直に言えば、今回の事故では俺も不安を感じてる。
俺が不安に思ってるのは、放射線量の数値の方じゃなくて、
この国のリーダーたち、電力会社の上役、マスコミの上層部が、
この事態を正確に把握できてないんじゃないかなぁ、と
思えてしまうところだ。
もう少しうまくまとめて伝えようよ?と思う。
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放射能って言葉は、みんな、間違って使ってる。
放射能という、謎の怖い物質があるわけじゃない。
本当のところは「放射-能力」を略して「放射能」なんだ。
「この物質には放射能がある」という使い方をするのが本当。
これは「この物質には放射線を出す能力がありますよ」という意味だ。
よく分からない?
今度から、「放射能」って言葉を聞いたら、
そっくりそのまま「放射線を出す性質」って言葉に置き換えてみよう。
それでおかしかったら、その使い方はきっと間違ってる。
例えば「放射能が来る!」って言われたら、
「放射線を出す性質が来る!」って感じに置き換わるだろ?
うん、変だ。 この使い方は間違ってる。
だから俺はここまで「放射能」って言葉を一度も使ってないだろ?
恐れる相手は放射能じゃない。 放射線だ。
放射線は正体が分かっている。
アルファ線と、ベータ線と、ガンマ線があるんだったね。
その性質を知れば、むやみに恐れなくてもいいんだ。
だけど、時には逃げることも必要だよ。
今回は人体への影響を話す予定だったけど、
もう少し待ってほしい。
今、色々と細かい部分を調べている。
間違ったことを書くのはなるべく減らしたいから。
それに今日は色々余計なことを話しすぎた。
(つづく)
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